事故物件の告知義務に関するルール
心理的ストレスを感じる心理的瑕疵物件には、住みたくないという方が多いことも当然いらっしゃいます。そのため、相続した事故物件の価格を知るために査定のご相談をされる場合や仲介・見積を依頼する際には、手放したい相続物件にどのような瑕疵があるのか、あらかじめ伝える必要があります。
告知義務とは何か?
心理的瑕疵を知らせる「告知義務」は宅地建物取引業者で定められています。
売却の際に義務を怠ると告知義務違反となり、賠償金を支払うなどの「契約不適合責任」を負わなければなりません。
告知義務はいつまで行われる?
告知義務の範囲や期間は法律で定められていないので、不動産会社によっていつ・どの程度告知されるかは異なります。賃貸では告知範囲はマンションなどの集合住宅で上下左右、告知期間は2~3年というのが通例です。見積・査定や仲介をご相談中の不動産会社があるということでしたら、どのような告知義務を果たしているかも信頼度を確認するポイントの1つといえるでしょう。
売却の場合は告知期間の期限が設けられていないので、何年経過しても告知義務はあります。
事故物件の売却時は必ず情報共有を!
最近はテレビ・新聞などの報道や近所の噂だけでなく、Webサイトで事故物件の情報を入手できることも多くなっています。
高い価格で早く売却したいからといって、仲介を依頼する不動産会社が見積や査定を行う際に故意に心理的瑕疵を隠すのはおすすめできません。無用なトラブルを避けるためにも売却の際は不動案会社に情報を共有し、しっかりと告知義務を果たしましょう。
どのような経緯か信頼しお話いただく事で告知の有無や告知の仕方など、プロからご提案できることもたくさんあります。
事故物件は高く売却できる?
敬遠されがちな事故物件を手放す場合、いったいいくらで売却できるのか、相場価格が気になる方も多いかと思います。また、せっかく売却という形で資産を活用するならできるだけ高値で売れてほしいと思うのは当然の事でないでしょうか?
実は、買主の心理的ストレスをやわらげれば事故物件でも価値向上は不可能ではありません。
事故物件の相場価格は理由によって差がある
事故物件を売却する際にきになることといえば、やはり価格の相場ではないでしょうか?
相続した住宅が「実は事故物件だった……」という場合、売却価格が低くなったり、なかなか売却できなくなったりすることが少なくありません。どの程度ハードルが高くなるのかについては発生した事故の内容や、買主の受け取り方によって異なりますが、心理的ストレスが感じられる事故物件は当然ながら相場どおりの価格で売却は難しいです。
事故の無いようによって異なる相場価格
「殺人事件や死体遺棄事件」
殺人事件や死体遺棄など、一般的にあまり良い印象を与えない事件が発生してしまった事故物件の相場価格は、通常の4割~5割減ほどです。
「自殺」
自殺が発生した事故物件は、通常の物件の3割減ほどが相場価格になります。
「自然死」
自然死で亡くなられた方がいる物件の相場価格は、通常の物件の2割減程度が考えられます。
例えば、孤独死でも発見されるまでに時間がかかり、ハウスクリーニングでは取れない異臭などが残っている場合などは、相場価格がさらに安くなります。
これらは、あくまで目安でケースバイケースで相場価格は大きく異なります。
また、心理的なストレスが大きくなればなるほど価格は安くなります。同じ事件や事故でも何が・どのような経緯で・どのように起こったかによって価格が異なるので見積や査定を依頼する際に確認しましょう。
相場価格は買主の受け取り方次第の場合も
事故物件を売却する際には買主の気持ち優先で価格が変動するということを前提に計画を練る必要があります。
なぜなら、心理的なストレスを受けるかどうかは買主の受け取り方次第だからです。
例えば、発見が遅れた孤独死の場合「自然死なので問題ない」と感じる人もいれば「長らく放置されていた住宅には絶対に住みたくない」と感じる人もいます。
前者であれば一般的な相場よりも高い1割減程度で売却できる可能性がありますが、後者の場合であれば5割減でも売却はかなり厳しい状況になります。
意外に高額で売却できるかもしれないケース
周辺環境が好条件の場合、事故物件であるにも関わらず相場価格がそれほど下がらないことがあります。
・駅や商業施設から近い人気エリア
・日当たりや見晴らしが素晴らしい など
立地や住環境が優れている場合は価格をそれほど下げなくても、比較的高値で売却できる場合があります。
事故物件を高く売却する方法は?
通常の住宅よりも相場価格は安くなる事故物件を少しでも高く売却するには、5つの方法があります。
清掃やリフォーム
事故物件を売却する前に必要なのが、ハウスクリーニングなどの清掃です。
孤独死や事件現場の清掃を専門とする特殊清掃に依頼することで、原状回復を行うことができます。他にも、物件の損傷が激しい場合はリフォームやリノベーションによって、通常の物件の状態に戻してから売却する方法もあります。